【エピローグ 最終章】配達させなかった「最終請求書」

前述の書面を出して最終決着にするということは、皆に諮ったが、言えば猛反対があるのは分かっていたので、一人には話さずに、事後承諾を、と思って投函した。

わたしは、こうした時の対処が不得意だ。最後まで秘密裡にするのが下手で、同意を求めてしまった。

これが原因で、みんなで「相手の請求通り、14日に請求金額を支払って、決着しよう」という約束を勝手に翻したことはまずい、ということになった。

 

特に、この書面を相手に出すことによって、相手がどう出てくるかわからない。

まだ、交渉の余地を持っているならともかく、これがもとで、相手が「キレる」危険性も多い。

相手が「猫」ならともかくも「虎」の可能性が高い。いわゆる、易でいう「虎の尾を踏む」状況。

わたしの単独行動。

たとえ、結果がいいものになったとしても、わたしの取った行為は、評価されるどころか、ユニット間の信頼に大きなひびを残してしまう。

これが一番、まずい。

 

しかし、ではどうする。

もうやってしまったことをどう修復するか。

 

ではどうする。書面は午後3時ころすでに投函。この話し合いをしたのが午後の7時ころ。

 

郵便局に連絡して、取戻し請求を出すことに決まった。

 

市内の配達、それも会社あてのもの、早ければ、朝1番の配達。手遅れの危険性は高かったが、翌14日、投函した郵便局から手配を請求。

 緊急、1分1秒を、それこそ争う。

すでに、配達担当者が出発していた仕訳配達物の中から、配達寸前で、止めてもらうことに、正午ごろ成功。

間一髪で相手方に届く前に回収することができた。

支払いも、相手方の再提出の金額を振り込み、終わらせた。

 

煩わしいことに長く付き合うのは、時間的にも無駄が多いし、「消耗」感も多い。

引くときはさっさとスピード感をもってしまいたいものだ。

物事には引き時というものがあることを、いまさらながら、思い知った。

押すところは勇敢に進むべきではあるが、また引き際をしっかり頭に入れておかなければならない。

どこをもって決着とするのかを決めるにも、勇気と決断が必要だ。

 

いま、玄関のチャイム。

郵便配達員さんが、くだんの封筒をとどけてくれた。

早い、昨日の今日だ。

 

 

「取戻し請求によりお返しいたします」との付箋。

日付印は2.8.14.12-18

となっている。

担当者の皆さんのご尽力に感謝する。

 

 

これで「引っ越し退去時の清算高額請求」に対する対応の記録は終了とします。

なお、今回の経験による知見等は、また改めて報告する予定。

                          2020.8.15.正午